人生相談所に勤めてるけど質問ある?

人生逃げてもいいと自信を持って言えるように、逃げた先の可能性をつくりたいブログ

精神科の入院の経験を解説。ちゃんといたわって、先に進めるように。

「精神科の病院に強制入院になったこと、いまでも恨んでる」

 

今日の電話相談で話した人から聞いた言葉が、

ずっと頭に残っています。

 

困った人の相談に乗る仕事をしていると、

精神科に通う人と多く出会います。

精神科に入院したことのある人と何人もお会いしたし、

まさに入院になる場面にも何度か立ち会ったことも。

 

精神科は本人の意思に反して入院となるケースもあり、

その場面は見ている方もつらいもの。

当の本人のつらさは計り知れません。

 

精神科に入院しないほうがいい、なんてことは思いません。

入院せずにすむのならば越したことはないですが、

入院に至った人はみな、それなりの理由があるもの。

そうしなければもっと大変なことになっていたはず…。

 

だからといって、

入院になった人の痛みを気にしなくていいわけでもありません。

冒頭の言葉を聞いて、

もっと入院した人たちの痛みに敏感でありたいと思いました。

f:id:wa9ta:20171018082023j:plain精神科に入院する人はどんなことがしんどいのか、

入院前・入院中・退院後の3つの時間に区切って説明します

そして、どのようにしんどさをいたわればいいかも。

 

 

 

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1.入院前:病状と状況の理解不足による、大変な混乱

精神科に入院するということは、非常に病状が悪いということ。

興奮していたり、死にたくて仕方がない人もいます。

入院すること以前に、その状態はたいへんしんどいもの。

 

入院を経験した人から、よくこんな話を聞きます。

「自分がなんで入院になるのか、説明もなく全くわからなかった」

実際は説明を受けていたけど忘れていたり理解できないパターンや、

説明が充分にできないほど興奮していたパターン、

本当に説明が不足しているパターンもあります。

 

ただでさえ精神状態が悪いのに、

状況が理解できないままに入院になるのは相当に恐ろしいこと。

混乱はさらに深まり、しんどさも一段と深まります。

 

 

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2.入院中:身体拘束や行動制限

精神科に入院すると、まれに手や足の拘束をされる場合があります。

興奮して安静が保てないときや、

自分や他人を傷つける恐れのあるときなど。

 

身体拘束以外にも、

病棟外の外出や電話の制限などの行動制限がかかる場合もあります。

外部の刺激を一時的に避けて、

落ち着いた環境で休息するためです。

 

どれも、身の安全や休息を図るためには必要な措置。

でも、当人にとっては非常にしんどいことです。

なんで入院になったのかもわからず、

状況の理解もないまま手足を拘束されたとしたら、

だれでも恐ろしくてたまらないはず。

 

 

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3.退院後:仕事や学校、人間関係から途切れる

精神科の入院は3ヶ月が目安。

状態が落ち着けば、だいたいこの期間で退院となります。

身体の病気で入院したら、普通はもっと短いですよね。

これでも昔と比べたら、ずいぶん短くなったのですよ…。

 

病気を悪くしたことをきっかけに、

それまでの社会とのつながりから途切れてしまう。

そんなしんどさを語る人も多いです。

 

入院する前の病状が悪いときから、

仕事や学校に行けなくなっている。

退院した後もすぐに復帰できるかといえばそんなことはなく、

長い休職・休学や辞めることを余儀なくされる人もいます。

 

人間関係も病状が悪いときにこじらせてしまい、

友人とまったく縁が切れてしまうこともあります。

精神科に通っていることを言えずに、

だんだん疎遠になってしまう場合も。

 

「入院したことで人生が狂ってしまった」と

感じている人もいるかもしれません。

社会と途切れたのは病状悪化が直接の原因なのですが、

精神科の入院はかなり象徴的な出来事ですからね…。

そう感じるのも無理もないこと。

 

 

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しんどかった過去の自分をていねにいたわってあげる

冒頭の人は、周りの人に

「入院したのは過去のことだから気にするな」

と言われ、とても傷ついていました。

入院したしんどさを周りに話してはいけない、

しんどく感じるのもいけないと言われているようだと…。

 

たしかに、過去のことは変えられません。

入院した当時のしんどかったことを語ったところで

途切れたキャリアや人間関係が戻るわけでもありません。

周りから見たら、過去のことばかり言ってないで

先のことをもっと考えなさいよ、

と言いたくなるのもわかります。

 

でも、これまでみてきた

入院前・入院中・退院後の出来事をふまえれば、

相当にしんどかった体験をしてきているのも確か。

それをあっさり気にするなと言われても、

そんな簡単に整理できるもののはずないじゃないですか…!

 

昔のしんどかった自分を大事にしていいと思うんです。

精神的にしんどくて入院して、

退院した後も社会から取り残されてる感じがして。

そんな過去のしんどかった自分を、

いまさかのぼっていたわったっていいと思うんです。

 

過去の自分をきちんといたわれなくて、

ずっと入院への恨みを持ち続けている人にも会ったことがあります。

恨みながら生きていくのはそれこそしんどいものだし、

精神科の病院や、周りの人への不信感にもつながります。

治療を中断してしまい、再入院になることも。

それこそいちばん不幸なことだと思いませんか…?

 

 

 

最後に

いたわるのが大切だとわかったけど、

どうしたらいいかわからない!って周りの人も多いでしょう。

特にご家族だとなおさらそう思われるはず。

 

精神科に入院した人がどんなことを言われたらうれしいか、

冒頭の人と話を聞きながら思いついたことをメモしてみました。

 

基本は話を聞き、勝手な評価や助言をせずに

話を聞いて感じたことをそのまま伝えること。

ほんとにねー、みんなアドバイスしすぎ。

他人の一方的な価値観なぞ、だれも求めてないのですよ!

生身の人間としての、率直な感想を言ってもらえた方が

よほど沁みるし役に立つものです…!

 

ご家族だけだと受け止めが大変であれば、

専門家の協力を得るのも大事。

相談できる場所

精神科の看護師さんの自宅訪問(訪問看護がある地域もあります。

家族会でご家族自身もいたわってもらうのも1つの方法。 

病院や市役所にご相談してみれば、情報が得られるはず。

 

その他、具体的なヒントなど。

・入院してよかったことを振り返る

「入院して、自分や他人を傷つけずにすんでよかった」

 

・入院したことをしんどく思ってもいいんだと伝える

「そんな経験をしたら、だれでもしんどかったと思う」

 

・自分で自分をいたわっていいんだと伝える

「ゆっくり自分をいたわって、気持ちを整理すればいいよ」

 

 

この話があなたの役に立てば、どれだけうれしいか。

もしよければ、またお会いしましょう。