人生相談所で働いてるけど、なんか質問ある?

「生きてていいかも」が3ポイント上がるブログ

福祉が社会問題に勝利したことなど、人類の歴史で一度もない。問題解決なんて止めて、ほしい未来をデザインしよう!

女子高校生サポートセンターcolabo(http://www.colabo-official.net/)で孤立し困窮した少女の支援をしている、仁藤夢乃さんのインタビュー記事を読んで。
記事はこちら。

  

生活に困窮すると多くの人は自分から相談しない

印象的なところを引用します。太字はこちらで追加。

虐待を受けた子などは、自分がそもそも支援を受けられる存在だと思えていません。「助けて」と言うことがすごく悪いことなんだって教えられていたりとか、人に頼らずに自分で稼いで生きていかないといけないと思っていたりします。社会の「自己責任論」のど真ん中で生きてきてしまった人は、「自分が悪いから、助けなんて求めない」となってしまいます。

支援を必要とする子が、行政などの窓口に来ないのは当たり前だと思うんですよ。福祉や支援が行き届かないというのは、支援のあり方が機能してないだけの話だと私は思います。居場所が必要とか、どんな支援が必要かとかいう議論はしても、その「中身」を子供たちにどうやって届かせるかという部分が全然間に合ってないなと思います。

 

支援が必要な人に届いていないという問題は、女子高生に限った話ではありません。
先日も、生活に困って県営住宅を追い出される母が、子どもを手に掛ける事件が記事になっていました。

市によると、母親は13年4月、銚子市役所を訪れた。国民健康保険の保険料を滞納し、保険証が使えなくなっていたからだ。保険年金課で滞納者が短期間だけ使える保険証をもらう手続きをした。生活苦を察した職員に促され、母親は社会福祉課という生活保護の担当窓口にも行った。

この時の「面接記録票」という書類が残されている。

生活保護が利用できるか、判断にかかわる収入と預貯金はともに「未聴取」。保険料滞納の理由も書かれていない。担当者は「聞くべき点が聞けていなかった」と振り返る。母親は生活保護制度の概要を聞き、帰路についた。再び相談はなく、市からも連絡しなかったという。

滋賀県野須市 市民生活相談課)生水(しょうず)裕美・専門員は「『どうせ解決しない』。生活に困窮すると多くの人はそう思い込み、自分から相談はしない。支援策も知らず『情報の貧困』でもある。役所から積極的に働きかけないと解決は難しい」と話す。

 

両方の記事に指摘されてることは、生活に困ってる人に情報が届いていないということ。
言い換えると、今までの福祉制度は「生活に困ってる人は自力で相談窓口にたどりつける」という前提で動いてきたってこと。

こうした前提は申請主義と呼ばれていて、年金でも生活保護でも、窓口に行って手続きしないと役所は何もしてくれない仕組みになっています。
逆に言うと、役所の人がいくら目の前の人を助けたいと思ってても、ご本人が手続きをしてくれなければ何もできないのです。現場で頑張ってる人も多いんですよー。

 

福祉が社会問題に勝利したことなど一度もない

はじめの方で紹介した記事のタイトルは福祉行政は風俗産業に敗北している」でした。
生活が不安定な女子高校生に対して、福祉の支援よりも風俗の勧誘の方が手を伸ばせていることを受けて、こう表現したのでしょう。

しかし、この言葉を受けて福祉が社会問題に勝利できるようにがんばろう!」と考えても、きっと勝てるときは来ないんだろうと思います。
世の中は常に移り変わり、それに合わせて新しい社会問題も日々生まれ続けています。少子高齢化非正規雇用の増加も、数十年前では考えもされませんでした。

私たちはそうした社会の変化で起こるほころびを、気づいたときに直し続けるしかありません。ある問題が解決してもまた別の問題が生まれる。福祉とは、それでも社会が良くなる方向に試行錯誤する営みなのだと思います。
その意味で、福祉が社会問題に勝利したことなど、人類の歴史で一度もないのです。

 

問題解決よりも、ほしい未来を自分たちでデザインする

でも最近、問題を解決しようとするより、もっと良い考え方があるんじゃないかと思うようになりました。
きっかけはこのブログ。

まち作り合宿の講師の方が仰っていた言葉で印象的だったのが、
「そろそろ、地域課題を解決する」という思い込みから抜け出したほうがいい」ということ。

私、このときすごくはっとしました。
自分の地域で実践したり全国の地域を見ている中で、
「解決する」発想から→「表現する」発想へ切り替わる大切さを感じていたからです。

今大事なのは
「いかにして、自分の地域を差別化するか?」
「他の地域に勝つか?」「問題を解決し続けるか?」
という発想というのではなく、
「いかにして光る場を作り出すか?」ということだと思うんです。

 

『「そろそろ、地域課題を解決する」という思い込みから抜けだしたほうがいい』ってのは自分もはっとしました。
このブログは地方の地域づくりがテーマですが、福祉も同じ。「問題を解決しよう!」と考えてるうちは、問題を後追いして、イタチごっこをしてるだけ。問題だけに目を向けず、困ってる人が幸せになれるような未来をどうデザインするか。そんなスタンスが大事なんだと思います。

それは、「役所が悪い!」とか「法律を変えろ!」とか、ただ文句を言ったり自分じゃどうにもならないことを訴えるのとは違います。同じ想いを持つ仲間と、手の届く範囲をどう良くしていくかってこと。
問題解決は他人ごとになりがちですが、未来のデザインは自分たちでやること。未来を他人に委ねないで、自らの手で作っていきましょうー。

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何より、問題だけを見ていると暗い気持ちになっちゃうので、ほしい未来を自分たちで作っちゃえ!って思ってた方が、楽しくやれると思うんですよね。楽しいは正義。

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