人生相談所で働いてるけど、なんか質問ある?

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困っているのに周りの助言を聞かない人は、「わがまま」なの?

障害のある人が役所や福祉の相談窓口で言うことを聞かないと、「あの人はわがままだ」と言われてしまうことがあります。
それっておかしいんじゃないの?というお話。

例を2つ出してみます。あなたはどんな印象を持ちますか?

 

例1:家族と関係が悪くて家出した、軽い知的障害がある人

親と折り合いが悪くなって実家から飛び出し、友達の家を渡り歩く軽い知的障害の人。
住所もなく電話もないため、働くこともできません。
友達もいつまでも面倒を見てくれず、食べるものにも困った本人は役所の障害福祉課に相談に行くことに。

役所の人はいろいろ話を聞き、その人が置かれた状況を確認します。
その結果、障害年金をもらってグループホーム(障害のある人が集まって暮らす家)に入ることはできますが、手続きに時間がかかることが分かりました。
準備が整うまでの数ヶ月間、実家にいるしか方法がなさそう。

役所の人はそのことを本人に説明し、一時的に実家に帰るよう説得します。
すると本人は、「実家に帰りたくないって言ってるのに、私の言うことを分かってくれない!」と反発し、飛び出していってしまいました。


例2:河川敷で生活を続ける路上生活者

何十年も河川敷でダンボールに住んでいる人。
収入は空き缶や捨てられた家電の回収。もちろん微々たるものです。
雨風をしのぐにはとても厳しい環境で、栄養も不十分で病院にも行けないから体調も心配。
歳もとって体力も衰えてきています。

役所や福祉団体の人が定期的に見回って、生活保護を受ければ安心して暮らせることを説明しました。
しかし生活保護を受けると施設に入れられる。施設に行きたくないからこのままここで暮らす」と話し、言うことを聞きません。

 

それって本当にわがまま?

ぱっと見、2つの例は両方ともわがままに映るかもしれません。
せっかく困りごとを解決できる道筋を提案してるのに、断ってしまいました。
そんな勝手な人たちにつきあってられないと思ってしまうでしょうか。

でも、早合点する前に、立ち止まってちょっと考えてみましょう。

 

例1:

軽い知的障害の人は、身の回りのことは自分でできて見た目しっかりしていても、後先を考えて行動するのが苦手なことがあります。
難しい説明を理解することができず、「実家に帰るしかない」という部分だけをとらえて感情的になってしまったかもしれません。

また、その人がもし親から虐待を受けていて逃げ出していたとしたら? 虐待されるかもしれない実家に帰らないのは、むしろ正しい判断ですよね。

 

例2:

路上生活者が入ることの多い施設は「狭い・汚い・お金を取られる」とひどい所が多くあります。
そんな施設に行きたがらないのは当然で、まともな暮らしができる施設がないことの方が問題なのです。

また、路上生活者の中には知的・精神障害認知症の人が多数いることが分かっています。
話を理解せずになんとなく断っている場合も。

 

相手の立場に立ってアドバイスをすることが大事

家族や恋人、友達に相談されたとき、相手の立場を考えて、伝わる言葉を選んでアドバイスしますよね。
勝手に言いたいことだけ言っていたら、逆に怒られちゃいます。

それと同じで、ぱっと見わがままに映る人たちにこそ、相手の立場をよくよく考えて言葉を選ぶ必要があります。
相手をわがままだと思うってことは、その人とのコミュニケーションをあきらめるってこと。
そのあきらめた感は相手にも伝わります。

 

相手に考えを変えてほしかったら、まず自分から歩み寄るべし。
これって、コミュニケーションの基本だと思うんです。

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